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ログインボーナスなどでモチベーションが下がってしまう理由

公開日: : 最終更新日:2015/12/14 アプリ開発 , , ,

机の前で悩む男

いつも評価されてたビジネスマンが上司が変わって評価されなくなる事ってありますよね。

「同じぐらい頑張って前はあんなに評価されてたのに!」

そんな事が起こると、もう彼は頑張るのをやめて次第、一気に暗黒面へ……

はい、私も経験あります(笑)さて、前置きはこのぐらいにしましょう。

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ゲームのイベントやキャンペーンにおけるそのログインボーナス、本当に正しいの?

今回のテーマです。今やログインボーナスはあらゆるゲームに設定されていますね。パズドラやツムツム、モンスト、白猫……

挙げだしたらキリが無いでしょう。

今回はそのログインボーナスがもたらすモチベーションの低下を、今回の話の核となる二つの心理学に基づいて説明します。

 

アンダーマイニング効果

内発的に動機づけられた行為に関して、物質的な報酬を与えてしまう事によって動機付けが低減してしまう事。

わかりやすい例でいくと、ボランティアなどで、一度お金をもらってしまったら次から無償ではやる気がなくなってしまう事です。

エンハンス効果

内部的に動機づけられた行為に関して、賞賛などの言語による報酬を与える事によって内発的動機付けを高める事

子供を褒めて伸ばすとかそういうパターンですね。

 

どちらも動機付け(モチベーション)の世界で見られる心理学ですが、ゲームにおいても同じ事が言えるでしょう。やり込みプレイとか縛りプレイとか。

参考までにやり込みプレイや縛りプレイを知らない人に説明すると、

・やり込みプレイ……コンピュータゲームにおいて、普通にクリアする目的から外れて、ある分野を徹底的に極める事。日本一ソフトウェアのゲームなどが有名。

・縛りプレイ……コンピュータゲームにおいて、クリアするために制約を課す事。ゲーム実況者がよくやったりする。

 

私が子供の頃は、1回クリアしたゲームをもう一度やる際はよく縛りプレイしてました。弱小装備だけでクリアとか、勇者一人旅とか……

そもそも、人間の意欲ってのは2種類あります。

  1. 外発的モチベーション……頑張る事で物質的な報酬や評価を得ようとする事
  2. 内発的モチベーション……その行為自体に喜びや充実を感じる事

 

仕事だったら当然2番の方が成果を出しますし、ゲームであれば2番の方がユーザーは楽しんでプレイしてくれているって事です。アンダーマイニング効果は、内発的モチベーションに対して成果を与えてしまう事でそれが外発的モチベーションに変わってしまう事です。

やり込みや縛りプレイは本人が楽しくてやっている事にも関わらず、そこに物質的報酬を与えてしまうと、ユーザーにとってはいわゆる「苦行」に変わってしまうのです。

「苦行の何が悪いの? 報酬をもらえたらうれしいじゃないか。」

そんな意見もあると思いますが、これは非常に勿体ない考え方で、外発的モチベーションでゲームをプレイした場合、報酬が手に入らなくなった時点でそのユーザーにとってのゲームは終わりです。ゲーム内で手に入れられる報酬をすべて入手した時点でもう二度とそのゲームをユーザーはプレイしてくれなくなります。(だって楽しくないのですから)

一方、内発的動機でプレイされたゲームは後から何度もプレイされる可能性があります。思い出して下さい、PS時代やFC時代の名作ゲームは何年経っても再びプレイしたくなる事を。(私はサガフロンティアやドラクエ3なんかがそうです)

「初動がすべてなんだよ! 」と言い切ってしまえる家庭用ゲーム業界ならまだとにかく、スマホゲームにおいては何度もプレイしてくれる方がありがたいですよね?

最近のゲームは、そういう風潮ですね。

・特定のプレイ方法によって得られる実績機能

・チャレンジ系(本来は5人でクリアすべきダンジョンを3人以下でクリアすると報酬がもらえたり)

・2周目以降のみ選べる特典があったり

 

こういうの全部アンダーマイニング効果が働いてるんですねぇ……

「じゃあ報酬は一切無し! やり込みや縛りプレイは勝手にユーザーでやってくれ!」

そんな風に割り切ってクリアする以外の要素に対して、何の報酬も設けないのが正しいのでしょうか?

というわけで、以下の実験の結果を読み、今一度動機付けに関して考察し直してみました。

 

内発的動機づけに及ぼす報酬の効果

http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/html/10129/631/tm_402_kimura.pdf

 

上記の実験結果を私なりにアプリに置き換えて解釈しますと、まず、「報酬」は以下の2つに分かれるそうです。

  1. 物質的報酬:課金アイテム(いわゆる石や宝珠)やそれを達成する事でしか手に入らないアイテム
  2. 言語的報酬:世界ランキングや実績等もこちらに分類されると考える

 

人間のタイプも以下の2種類いるそうです。

  1. タイプA(外発傾向):報酬が無いとやらない人。報酬が無ければクリアして即終了の人。
  2. タイプB(内発傾向):報酬が無くてもやる人。

 

問い1:報酬を与える事は正解か否か

はい、これは正解でしょう。それが物質的だろうが言語的な報酬であろうが、報酬を与えている間はどちらの集団もパフォーマンスが上がります。

ただし、物質的な報酬の場合は例外があります(後述)

問題はその後の話です。

 

問い2:課金アイテムなどの物質的報酬は内発的な動機づけを低下させるか?

この問いについて答えるには、タイプAの人間とタイプBの人間とに分けてみましょう。彼らはクリア後に報酬が無くなった場合、どのようなアクションを取るでしょうか?

タイプA(外発傾向):プレイ時間は少なくなる(アンダーマイニング効果)

タイプB(内発傾向):プレイ時間は少なくなる(アンダーマイニング効果)

この場合、タイプBの人が元々持っていた内発的な動機が低下してしまう事になります。

タイプAの人間もプレイ時間は少なくなりますが、例外もあります。

例外:前回と報酬の価値が同等であった場合

例えば、1回目のイベントではクリア報酬が魔法せ……宝珠×5であったのに対して、2回目のイベントが宝珠×10などになっていたら、プレイ時間の低下がみられるでしょうが、2回目の報酬の価値が1回目と全く同等だった場合は、そもそもイベント効果が無く、よってプレイ時間も下がる事がないと考えられます。(当たり前といえば当たり前ですが)

 

問い3:実績などの言語的報酬は内発的動機を高める効果があるかどうか?

タイプA(外発傾向):プレイ時間は多くなる(エンハンシング効果)

タイプB(内発傾向):プレイ時間は多くなる(エンハンシング効果)

内発的な動機が上昇するため、どちらのプレイヤーもイベント完了後でもプレイを継続してくれる事でしょう。

という事は言語的な報酬をイベントで与えればいいんだな!

……ちょっと待って下さい、言語的報酬って一体何でしょうか?

ゲーム全体に関して言えば、実績システムでユーザーが何かを達成する度に実績を解除したりするのがいいでしょう。しかし、いわゆるソシャゲの期限付きのイベントの場合どうでしょうか? イベントを完了したユーザーに開発者から「お前はよくやった」なんて言葉をかけてもしょうがないですよね? (それはそれで面白そうですがw)

結果どうなるかというと、

物質的報酬をどんどん魅力的にして、途切れる事なくイベントを開催すればええんや!

という事になります。現在のほとんどのソシャゲがそうですが、イベントを途切れる事なく実装しています。これにはそういう理由があるのです。

イベントが終わった時点で次のイベントを開催する事で、ユーザーの離脱を防いでいる

という事です。

企業体力があるところはいいですが、個人や小さなところでは到底不可能な行為でしょう……

ちなみに私も最初に作ったアプリで当初2ヶ月ぐらい頑張って実装していた期限付きイベントは断念しました↓

キンググローリーのイベント画面

キンググローリー(2014/12/9)

 

2015年の2月ぐらいから週次イベント以外出てこないという……

 

 

まとめ

というわけで、途切れる事無くイベントを実施できるような体力も無い場合、無理に物質的報酬を定めるような事はせず、

ユーザーに言語的報酬を与える事で内発的動機付けを高めるゲーム設計をすべし! 

という話でした。

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